県大会出場３９校出そろう 春季高校野球地区大会

　（１７日・上尾市民ほか）

　東西北部の代表決定戦計１４試合が行われ、県大会（２４日開幕）に出場する４地区代表３９校が出そろった。

　北部の滑川総合は延長十一回に２点を挙げ、伊藤、永井の継投で熊谷工に２−０で競り勝った。松山の右腕岡本は小川打線を７回１安打に封じた。昨年４強の桶川はシード本庄東に逆転勝ち。東農大三は鴻巣に七回降雨コールド勝ちを収めた。

　西部では川越が３点差を逆転しシード武蔵越生を４−３で退けた。西武文理の左腕遠藤は狭山清陵を１安打完封。東部の白岡はシード不動岡を１１−１の五回コールドで圧倒。昨秋県準優勝の花咲徳栄は順当に県大会に進んだ。

　県大会の組み合わせは抽選会は２０日、上尾市内で代表３９校と選抜大会出場の浦和学院を加えた計４０校で行われ、対戦カードが決まる。

■県大会出場校一覧

【推薦】浦和学院（選抜大会出場）
【東部】春日部東、越谷南、栄北、花咲徳栄、白岡、越谷北、昌平、春日部共栄、久喜北陽、蓮田松韻
【西部】富士見、西武文理、城西大川越、所沢北、聖望学園、狭山ヶ丘、川越、所沢商、川越東
【南部】慶應志木、蕨、埼玉栄、市川口、大宮光陵、立教新座、南稜、朝霞、川口、与野、大宮
【北部】正智深谷、本庄一、成徳大深谷、上尾、秀明英光、桶川、東農大三、松山、滑川総合

◇試練乗り越え自信

　ゼロ行進が続いた接戦は延長十一回、滑川総合が２点を奪い決着を付けた。この回、２死球と犠打で１死二、三塁とすると、山口、中山が連続スクイズを成功。持ち味の小技を駆使し、安打ゼロで２得点した。

　九回裏には２死満塁のサヨナラ負けのピンチがあった。マウンドの永井はフルカウントとしたが、「ミットを目掛けて投げた」と空振り三振に仕留めた。バックも無失策。粘り強く競り勝ち、山口は「県大会に弾みがつく」。五十嵐監督も「厳しかったが自信になるゲーム」と手応えをつかんでいた。

◇シードと互角に、夏へ手応えと課題

　熊谷工は敗れはしたが、シード滑川総合と互角以上に渡り合った。エース田川が９回を４安打無失点と好投。２年生左腕は「低めを意識し、打たせて取れた」とテンポよく直球とスライダーを投げ込んだ。打線は七回１死三塁、九回も２死満塁と攻めたがあと一本が出ず。主将の半沢は手応えを感じながらも「勝負どころで、どう点を奪うか」と夏への課題を挙げた。

◇エース危なげなし

　１回戦で早大本庄を１６奪三振で２安打完封した松山の右腕岡本が、この日も危なげない投球。威力のある直球とカットボールで小川打線に対し、７回を無四球、１安打。「粘り強く投げられた」と満足そうだ。３月末に調子を崩し、フォームを変えるなどしたが「よく間に合ってくれた」と滝島監督。エースは「もっと低めを突いていきたい」と貪欲だった。

◇７年ぶり県大会

　川越が終盤に３点差をひっくり返し武蔵越生に逆転勝ちした。７年ぶりの県大会出場を決めた岡田監督は「力が付いてきていたので、やれると思っていた。諦めない雰囲気はあった」と話した。

　３点を追う七回、３番後藤が「主軸が打たないと」とソロ本塁打を放つと、八回には２死一、二塁から再び後藤が右前に運び、敵失も絡んで一気に同点。続く松崎の右前適時打で勝ち越した。３安打２打点の後藤は「毎回応援に来てくれる方々のために頑張りたい」と活躍を誓った。

◇１番土屋復調、光る打撃センス

　先制、中押し、ダメ押しと効果的に得点した所沢商が飯能南にコールド勝ちした。冬場不調にあえいでいた１番土屋が「腰の切れを修正した」と大会直前に本来の調子を取り戻した。この日も抜群の打撃センスを発揮し、３本の二塁打を放つ活躍。「秋は１６強。まずはベスト８を目指していきたい」と力を込める切り込み隊長がチームをけん引する。

◇川越東、主将が好走

　川越東が川越初雁との接戦を制し、シード校の意地を見せた。同点で迎えた八回に内野安打で出塁した主将の三浦。犠打で二塁に進むと、「行けるかなと思っていたら目が合った」と阿井監督とのアイコンタクトで三盗。勝負どころでの好走塁が大場の決勝犠飛を呼び込んだ。殊勲の大黒柱は「絶対にシード権を取りたい」と充実した表情を浮かべた。

【東部地区】
■Ｄ組代表決定戦
花咲徳栄
４２０８２＝16
０００００＝０
幸手幸手商
（５回コールド）
【花】小栗、小暮、上田−若月、小山
【幸】當麻、佐藤−福士、當麻
▽本塁打　藤原（花）
▽三塁打　楠本２（花）
▽二塁打　加藤、松本２、関口（花）

■Ｅ組代表決定戦
不動岡
００００１　＝１
０５１４１ｘ＝11
白岡
（５回コールド）
【不】倉林、万代−栗原
【白】島田、小山−福田
▽二塁打　竹内、大嶋、広瀬、福田、島田（白）

■Ｉ組代表決定戦
越谷西
００００００００２＝２
１２００００１１ｘ＝５
久喜北陽
【越】中村−田原
【久】林−小暮
▽三塁打　小堀（久）
▽二塁打　戸井田（越）田沼（久）

【西部地区】
■Ｂ組代表決定戦
狭山清陵
０００００００００＝０
１０００１０１０ｘ＝３
西武文理
【狭】関根、阿久津、田口−新井
【西】遠藤−橋本
▽二塁打　荒井、工藤（西）

■Ｄ組代表決定戦
豊岡
０００００００　＝０
２２００１０２ｘ＝７
所沢北
（７回コールド）
【豊】比嘉−荒木
【所】小田−中沢
▽三塁打　細田（所）
▽二塁打　細田、与那嶺（所）

■Ｇ組代表決定戦
川越
００００００１３０＝４
１００１０１０００＝３
武蔵越生
【川】亀岡−松崎
【武】高木、原田−倉田
▽本塁打　後藤（川）
▽三塁打　岡村（武）
▽二塁打　大谷木（川）橋本（武）

■Ｈ組代表決定戦
飯能南
００００１０００　＝１
２００３１００２ｘ＝８
所沢商
（８回コールド）
【飯】吹春、茂木、新田−石井
【所】渡会−金浜
▽二塁打　土屋３、荒田（所）

■Ｉ組代表決定戦
川越初雁
００００００３００＝３
３００００００１ｘ＝４
川越東
【初】吉田−樋口
【東】小柳津、加藤、藤野−山本
▽二塁打　柴田（初）小寺、大場（東）

【北部地区】
■Ｅ組代表決定戦
深谷一
００００００３１０＝４
０１０２２１０４ｘ＝10
秀明英光
【深】植野、鈴木、高木−山野
【秀】中田、小島−永田
▽本塁打　永田（秀）
▽三塁打　真壁（秀）
▽二塁打　植野（深）牛島、佐浦（秀）

■Ｆ組代表決定戦
桶川
０００００２１００＝３
０００１０００００＝１
本庄東
【桶】加藤−上岡
【本】網倉、生島、安田−島村
▽二塁打　加藤、上岡（桶）中林、中原（本）

■Ｇ組代表決定戦
鴻巣
０１００００１＝２
００１００２ｘ＝３
東農大三
（７回降雨コールド）
【鴻】野原−木村
【東】大嵜、石山−金子研
▽二塁打　伏木（鴻）池田（東）

■Ｈ組代表決定戦
小川
０００００００　＝０
１００２０１３ｘ＝７
松山
（７回コールド）
【小】安岡−砂永
【松】岡本−岩間
▽三塁打　市川（松）
▽二塁打　斎藤、横溝２、金子（松）

■Ｉ組代表決定戦
滑川総合
００００００００００２＝２
０００００００００００＝０
熊谷工
（延長１１回）
【滑】伊藤、永井−和栗
【熊】田川、高山−原

（埼玉新聞）