浦学、白球通して支援活動 野球部が石巻の子供らと交流

 東日本大震災で大きな被害を受けた野球少年を元気付けようと、浦和学院高が10日、宮城県石巻市の鹿妻・子鹿クラブスポーツ少年団野球の子どもたちを招き、同校で交流会を開催。9〜11日まで2泊3日の合宿で、野球部の選手らと白球を通して親交を深め合った。

 招かれたのは同スポーツ少年団野球の小学生22人と阿部日出喜代表、津田一浩監督らスタッフ19人の総勢41人。同チームは練習場所の鹿妻小学校グラウンドが1メートル以上の津波で水没。子どもたちの約半数が自宅を失って避難生活を余儀なくされ、肉親を亡くした児童もいた。

 浦和学院は震災直後から学校を挙げ、縁がある石巻市を中心に独自の支援活動を展開。支援物資を送り、義援金を集めるほか、6月にサッカー少年団を招いて交流した。

 この日は野球部の3年生22人がキャッチボールやトスバッティングなどを一緒に実施。歓迎式ではソングリーダー部、吹奏楽部が演技を披露した。

 鹿妻の主将で5年生の佐藤菜々美さんは「声が大きくて面白くて元気があって楽しい」と浦和学院の選手たちに感激。同じく副主将の青山愛理さんは「(震災で)あんなつらい経験をしたけど、こんな楽しい経験もさせてもらえた」と喜んだ。阿部代表は「高校生が本気で子供たちに向かい合ってくれている姿がうれしい」と感謝した。

 野球部の小林賢剛選手は「最初はどう接していいのか不安だったけど、きょう初めて会った感じがしない」と、子どもたちとすぐに打ち解けた様子。野球部の高間薫顧問は「これからも社会貢献できるようなことをやっていきたい」と交流の意義を実感していた。

埼玉新聞