第93回埼玉大会シード校分析(1)花咲徳栄、立教新座

 第93回全国高校野球選手権埼玉大会は来月9日、159チームが参加して開幕する。優勝争いの中心になることが予想されるシードは16校で、春季県大会優勝の花咲徳栄、準優勝の上尾がA、4強の桶川、浦和実がB、春日部共栄ら8強4校がC、浦和学院ら16強8校がD。開幕まであと9日に迫り、最終調整に入ったシード校を組み合わせ順に分析する。

■Aシード 花咲徳栄

 2年連続第1シードで10年ぶりの頂点を狙う。昨年は決勝で本庄一に敗れ、春夏連続甲子園出場を逃した。悔しさを知る大塚、田中が残ったチームは、昨秋は県大会初戦敗退したが、一冬越えて投打にすきがなくなり、春の県大会で連覇を果たした。岩井監督は「徹底させることが一番大事」と話す。チームの約束事を忠実に行う“徹底”力が優勝の鍵を握る。

◇攻撃「ミート力高く穴のない打線」

 長距離砲はいないが1〜9番までミート力が高く、どこからでも得点できる穴のない打線だ。またバント、エンドランなど機動力を使った攻撃も鍛えられている。中心は2番田中と3番大塚。春の県大会での盗塁は2人合わせて9つ。選球眼もよく出塁率が高い。2人の前後を打つ1番長尾、中軸の白石、新井ほか9番金子も春は4割前後の打率を残し、勝負強い。

◇守備「右腕松本復帰投手、駒そろう」

 投手陣は昨秋から右上の北川、右横の沢幡が成長。1年の秋から登板経験のある右腕松本が長期のけがから復帰し、駒はそろった。北川、沢幡とも低めへの制球が生命線で、丁寧に打たせて取る。バックはセンターラインを軸に盤石で、春の県大会ではわずか2失策。遊撃手の大塚は打球への反応が早く、中堅手の田中は守備範囲が広い。捕手の白石は強肩だ。

■Dシード 立教新座

 1月にOBで大学、社会人で活躍した高林監督を迎えた。春季県大会では手探り状態ながら16強入りし、2年連続でシード権を獲得。春以降は練習試合を積み重ね「だいぶ点の取り方が分かってきた」と指揮官は手応えを深めた。同監督が選手として出場した1985年夏以来、2度目の甲子園へ、「一戦ずつ勝っていきたい」と目の前の相手に全力を尽くす。

◇攻撃「打順入れ替え、より攻撃的に」

 打線は小粒だが機動力を駆使し、どこからでも点が取れるのが強み。春から打順を入れ替え、広角打法が光る新城を3番から1番に。8番だった浜千代を攻撃型2番に置くことで状況により大量点を狙う。3番に起用する栗原、不動の4番星野は勝負強い。つなぎ役の5番太田はしぶとく、6番龍造寺は中軸顔負けの力を秘める。下位の小寺、山本、山田も侮れない。

◇守備「鉄壁守備陣で打たせて取る」

 右腕エース小寺は直球を柱に、四隅に投げ分けられる制球力の持ち主。控えの藤本も安定感がある。球威のある木下が、けがから復帰したのは好材料。周りを固める守備陣は鉄壁。2年生捕手の龍造寺は強肩で、盗塁阻止率が高い。二遊間の栗原、星野、中堅手浜千代を中心に内外野の連係も抜群だ。投手陣が打たせて取るタイプだけに、つまらないミスに注意。

埼玉新聞