16強が決定 春季高校野球県大会

(26日・県営大宮ほか)

 第4日は2回戦の残り4試合が行われ、今夏の全国高校選手権埼玉大会のシードとなる16強が出そろった。

 大宮西は安本、草薙の継投で逃げ切り、昨秋8強の聖望学園に4−3で競り勝った。川口は延長十一回に橋本の決勝適時打などで3点を奪い、8−5で越谷北を振り切った。立教新座は春日部東に5−3で逆転勝ち。上尾は滑川総合に七回コールド勝ちを収めた。

 第5日は28日、県営大宮と上尾市民で3回戦4試合が行われる。

◇粘りの逆転勝ち

 立教新座がしぶとい春日部東に逆転勝ちした。六回に試合をひっくり返し、高林監督は「一番の勝因は選手が諦めなかったこと」と合格点を与えた。

 守りで流れをつかんだ。1−2と追い上げた五回。1死一、三塁から2番手藤本が併殺で切り抜け、4−3の七回2死二塁では「ホームにかえることしか頭にない」と遊撃手星野のサインで二塁走者をけん制で刺した。

 五回途中から登板した2年藤本は、再三のピンチにも打たせて取る投球で内野ゴロの1点にしのいだ。背番号10は「周りの3年生が守ってくれる」と信頼を寄せていた。

◇勝負分けた好走塁

 大宮西が会心の試合運びで聖望学園を下した。関根の先制三塁打などで相手先発の島沢から二回までに3点を奪って先行すると、エース安本が「序盤はいい感じで自分のペースに持っていけた」と五回まで1安打投球。終盤は追い上げられたが、八回途中から「いつでも行けるように準備していた」という左腕草薙にリレーし、2死一、三塁のピンチも切り抜けた。

 決勝点は八回。聖望学園2番手、本格派滝瀬から先頭の菅原が安打を放つと、鈴木監督が「足のスペシャリスト」という代走内田が次打者の初球で二盗に成功。1死後、黒田の二塁内野安打の間に俊足を飛ばして生還した。「足で攻撃の幅を広げたかった。きょうは100点でいい」と笑顔の内田。

 裏の守りでは相手走者が三塁をオーバーランしたのを見逃さず内野手の連係で刺殺。走塁が最後に勝敗を分けた。

◇猛打で完勝

 上尾は16安打12得点で滑川総合に七回コールド勝ち。一回に勝木田の三塁打などで2点を奪うと、二回には打者9人で4得点。その後も攻撃の手を緩めず、相手の4投手を打ち崩した。4安打3打点の河合は「点の取り合いになるという話だったので、積極的に打ちに行った」と振り返る。

 だが、打ち勝てるうちはまだいいが、攻守とも高野監督が求めるレベルには達していない。指揮官は「ここ一番での勝負強さや粘り。目指している野球を確立したい」と勝ってかぶとの緒を締めた。

◇総力戦のチーム一丸

 サヨナラ負けのピンチをしのいだ川口が延長戦で勝利。冨沢監督は「自分よりも選手の方が冷静だった」と目を細めた。

 5−3の九回、2死走者なしから同点に追い付かれ、なおも一、二塁と一打サヨナラの劣勢。だが、ナインはピンチを楽しむかのように笑顔だった。「負ける気がしなかった」と主将の捕手小暮。一丸で守り切り、延長十一回の3得点につなげた。

 決勝打の4番橋本は「やっとチームに貢献できた」と不調だった地区大会の悔しさを晴らした。ダメ押し2点適時打を放った代打山口は「監督の起用に応えられた」と胸を張る。16選手を投入する総力戦で勝利をつかんだ選手たちは、一段とたくましくなった。

埼玉新聞

■2回戦
上尾
2403120=12
1040000=5
滑川総合
(7回コールド)
【上】伊藤、菊池、西舘−河合
【滑】戸沢、竹内、伊藤、平塚−和栗
三塁打 勝木田(上)
二塁打 新井2、河合、西舘(上)米盛(滑)

大宮西
210000010=4
000002010=3
聖望学園
【大】安本、草薙−黒田
【聖】島沢、瀧瀬−鹿島
三塁打 関根、寺島(大)
二塁打 菅原(大)村田、斉藤(聖)

立教新座
000012101=5
020000100=3
春日部東
【立】小寺、藤本−龍造寺、八木
【春】菅原、中村亮、田中−中村豪
三塁打 清水(立)
二塁打 藤本(立)折原(春)

川口
00102110003=8
00030000200=5
越谷北
(延長11回)
【川】荒井、新井、川口−木暮
【越】小松、松村−笠原
三塁打 石島(越)
二塁打 守田、木暮、中村(川)日名子(越)