浦和学院、初戦は鹿児島実 開催可否は18日協議

 東日本大震災の影響でまだ大会開催の可否が決定していない第83回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内の毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、浦和学院は鹿児島実との対戦が決まった。試合は大会5日目第2試合。

 夏春連続出場の鹿児島実は今回、15年ぶり8度目の出場。1996年の第68回選抜大会優勝、春夏合わせて25度の甲子園出場を誇る名門校で、昨秋は九州大会を制し、神宮大会では準優勝した。6年ぶり7度目出場の浦和学院は昨秋の関東大会王者で神宮大会4強。1回戦屈指の好カードとなった。

 東日本大震災の被災地で、抽選会に出席できなかった東北(宮城)は昨秋の東海大会の覇者大垣日大(岐阜)と対戦。光星学院(青森)は同じく震災の影響があった水城(茨城)とぶつかる。

 開幕戦は香川西日本文理(新潟)。選抜大会は23日から12日間、甲子園球場で実施される予定だが、大会開催については18日の臨時運営委員会で協議する。選手宣誓を務める選手は、18日以降に決めることになった。

◇屈指の好カードに闘志

 昨秋の関東と九州の王者同士がガチンコ対決。浦和学院は鹿児島実との対戦が決まり、1回戦屈指の好カードとなった。森監督は「いつもそう。うちはくじ運がいい」と苦笑しつつ、「いよいよ相手が決まってあとは戦いに集中するだけ」と引き締めた。

 主将の小林は「相手は甲子園常連校。打撃がいいし、守備がまとまっている。総合的に強い」と警戒する。鹿児島実は左腕エース野田を中心に守備からリズムをつくり、どこからでも得点できる打線が強み。ポイントは左腕対策になりそうだ。小林は「意識は特にない」と平静を保った。

 東日本大震災の被災者に対して黙とうが行われるなど抽選会も例年とは違う雰囲気に包まれた。注目の対戦が次々と決まったものの、森監督は「拍手で沸くというより、粛々と開幕を迎えている感じだった」と評する。

 しかし、ひとたびユニホームを着れば、がむしゃらに白球を追うだけだ。小林は「相手より自分たちがどう最高のパフォーマンスを発揮できるか。今までやってきたことをすべて出したい」と静かに闘志を燃やした。

◇似たチームという印象 鹿児島実・宮下正一監督の話

 浦和学院はエースが小柄で好打者が多く、鹿実と似たチーム、という印象。エースの佐藤君は好投手で1番打者。野球センスがあり、警戒すべき存在。相手は試合慣れしている強豪チームなので、挑戦者のつもりで立ち向かいたい。

◇つなぐ野球展開したい 鹿児島実・豊住康太主将の話

 強豪が集まるブロックに入ったのはうれしいこと。神宮大会で、浦和学院の試合を少し見た。積極的な野球で、僕たちと似ている。佐藤君の球の切れがよく、球速より速く見える。芯でとらえ低い打球にし、つなぐ鹿実の野球を展開したい。

<鹿児島実>

 1916年創立の私立共学校。野球部は32年創部。甲子園は春が15年ぶり8度目、夏は17度の出場を誇る。96年春の選抜で初の全国制覇を達成。杉内俊哉本多雄一(以上ソフトバンク)らプロ選手13人を輩出している。

 現チームは昨秋の九州大会王者で、明治神宮大会準優勝。公式戦13試合で52犠打、8失策と堅実さが持ち味。エースは左腕野田。最速143キロの直球とスライダー、カーブ、チェンジアップを操る。打線は俊足の1番平山が出て、チーム一の18打点の3番豊住、4番浜田ら中軸で返すのがパターン。

埼玉新聞