次に必ず返したい 春日部共栄(2年)若山大輝三塁手

 試合終了直後、本多利治監督が選手たちをベンチ裏の一角に集めた。周囲の扉を閉め切ってから約15分後、球場の外に出てきた時には選手の中で1人、若山選手だけが泣きじゃくっていた。

 四回裏に2死からレフト前タイムリーヒットで2点目を挙げる活躍をしたが、八回表、3点を奪われ同点に追いつかれた直後、相手の三塁ゴロを後逸し、その間に奪われた1点が結果的に決勝点となった。九回裏には先頭打者で安打を放ち挽回(ばんかい)してみせたが、得点に結びつかずに試合は終わった。

 「大事なのはこの後に何をやるか。これで終わりじゃない。次があるならやるしかないだろ」。ベンチ裏で、本多監督は選手たちにこう話した。「攻めのエラーだった。誰も責められない」

 「自分のいいかげんさや責任感の無さがプレーに出た。頑張って練習して、次に必ず返したいです」。若山選手は止まらない涙を何度もユニホームの袖でぬぐいながら球場を後にした。

毎日新聞埼玉版)