鷲宮、猛追かわし関東へ 秋季高校野球県大会

 両チーム計25安打が飛び交う乱打戦を鷲宮が粘り強く制した。

 鷲宮は五回まで10安打で6得点。1点差に詰め寄られた後の七回1死二、三塁で増渕がスクイズを決め決勝点とした。点の取り合いで一度もリードを許さず、栗田、遠藤の継投で逃げ切った。

 浦和実は13安打を放ったが15残塁。九回2死二、三塁の一打逆転の好機をものにできなかった。

◇接戦制した結束力

 鷲宮が浦和実とのシーソーゲームを1点差で制し、12年ぶりの関東切符を手にした。「胃が痛いですよ」。最後までどちらに勝利が転がるか分からない展開に、さすがの柿原監督も苦笑い。それでも「勝てば選手のおかげ」とほっとした表情でナインをたたえた。

 7−5で迎えた八回の守備が最大のヤマ場だった。先発の栗田が先頭打者に三塁打を浴び、続く打者に四球。無死一、三塁のピンチで、マウンドを託したのは捕手で主将の遠藤だった。「遠藤で負けるならいいよな」。指揮官のゲキが飛んだ。遠藤はこの場面を1失点で切り抜け、九回2死二、三塁のピンチもしのいで、勝利をもぎ取った。

 同監督は「みんなで戦ったし、遠藤で負けるなら気持ちよく負けられる」とキャプテンを中心にしたチームの結束力を勝因に挙げた。栗田も「遠藤なら抑えてくれると信じていた」と感謝した。

 県内開催の関東大会に向けて「力がないので、しっかり練習したい」と決勝スクイズを決めた増渕。地元の意地を懸け、公立の星が関東の舞台に挑む。

埼玉新聞

◇来年に備え鍛える

 「次の回こそしっかり投げようと思っているうちに回が進んでしまった」。浦和実のエース鈴木琢磨投手は言葉少なに話した。今朝、突然感じた右肩の痛みを押して先発したが、制球が定まらず五回途中までで6失点。早川脩兵投手にマウンドを譲った。あと一歩のところで関東大会出場を逃した。「冬を越す間にフォームと体づくりを完ぺきにして来年に備えたい」。悔しさをのみ込んだ。

毎日新聞埼玉版)

▽3位決定戦
【県営大宮】
浦和実
031001010|6
22002010x|7
鷲宮
(浦)鈴木、早川−上地
(鷲)栗田、遠藤−遠藤、塩田
三塁打 山口(浦)栗田(鷲)
二塁打 稲垣、大熊(浦)遠藤(鷲)