共栄、9得点で快勝 秋季高校野球県大会

 投打に勝る春日部共栄が、小刻みに加点し、朝霞に七回コールド勝ちした。

 春日部共栄は一回1死二、三塁から鎌田の中越え適時三塁打で2点を先制。二回には1死一、三塁から小泉の犠飛で1点を追加するなど、五回まで毎回得点で朝霞を突き放した。

 朝霞は三回、二つの敵失と内野安打で1点を返したが、3併殺を喫するなど打線がつながらなかった。

◇主砲、4打点の活躍

 春日部共栄の主砲鎌田が、右手人さし指骨折のけがから完全復活。4打数3安打、打点4の活躍でチームの4強進出に大きく貢献した。

 「体の切れが本来の調子に戻り、バットがよく振れていた」(本多監督)というこの日は、一回から絶好調。

 1死二、三塁の好機で中越三塁打を放ち、2点を先制したのが皮切り。三回には無死三塁から右中間適時二塁打、四回には1死二塁から三塁線を破る適時二塁打を放った。

 まだ伸び盛りの1年生。身長181センチ、体重74キロながら、50メートルを6・3秒で走る俊足の持ち主。本多監督が「足も速く、体もいい。将来が楽しみ」と期待を寄せる逸材だ。

 鎌田は「前回(3回戦)の本庄戦で二塁打を打てたので気持ちが楽になった。きょうはチャンスを楽しんで打つことができた。このままの勢いで勝ち進みたい」とさらなる活躍を誓った。

◇粘り通じず力尽きる 朝霞

 粘り強さを遺憾なく発揮してきた朝霞が、準々決勝で力尽きた。宮川監督は精も魂も尽き果てた表情。「疲れたね。共栄の打線は甘い球を見逃さなかったよ」と精いっぱいの言葉を絞り出した。

 新チームは夏休み、1日も休まず猛練習した。今夏は雨天で敗れたからと雨の日もグラウンドで練習。「僕らの代は朝霞史上、一番弱いと監督に言われたから」と主将の鯨井。大会前に故障者が出て大規模なコンバートをしたが、特訓を原動力に勝ち上がってきた。

 引き分け再試合など6試合で50イニングスを戦った。コールドで敗れたものの、練習で培った粘りは本物。流した汗は決して無駄ではなかった。

埼玉新聞