徳栄、好機で拙攻 土浦湖北に0−1 春季高校野球関東大会

 【戦評】

 好機で拙攻が目立った花咲徳栄は好投の松本を援護できず、土浦湖北に完封負けした。

 花咲徳栄打線は相手先発の金子を最後まで捕らえ切れず、散発5安打に抑えられた。二回無死一、二塁では走者を送れず、四、六回は先頭を出したが、後続が簡単に倒れるなど工夫がなかった。

 先発の松本は粘りの投球で、失策絡みの1失点と役割を果たした。

◇普段着野球できず

 本塁が遠かった。花咲徳栄は1点を取りに行くいつもの野球ができず、土浦湖北に完封負け。岩井監督も「見ての通り。細かいところがちぐはぐだった」と元気がない。

 無死一、二塁で走者を送れず、無得点に終わった二回の時点ではまだ負ける予兆はなかっただろう。だが、四回無死一塁ではバスターで投ゴロ併殺。1番の佐藤から始まった六、八回も打線がつながらないなど最後まで流れがつかめなかった。

 「初戦の硬さがあって相手にのみこまれた」と佐藤。投球間隔の短い相手先発の金子に対し、タイムを多く取ってリズムをつかもうとしたが、カットボールのような小さく動くスライダーに手を焼き、飛球12、内野ゴロ12と抑え込まれた。腰痛の橋本やエース五明をスタメンから外すなど、どこかよそ行きの野球だったことも否めない。

 それでも好投した松本や、俊足の中堅手として9番に定着した田中など2年生の台頭は好材料になる。「悪いところが出たので夏につながると思う」と主将の根建。9年ぶりの頂点を狙う埼玉大会へ視線を切り替えた。

埼玉新聞