花咲徳栄 vs 浦和学院 きょう決勝 秋季高校野球県大会

(13日・県営大宮)

 第7日は準決勝2試合が行われ、第1シード花咲徳栄と第2シード浦和学院が決勝に進出するとともに、関東高校大会(10月31日〜11月4日・千葉)への出場権を獲得した。

 花咲徳栄は関東高校大会出場、決勝進出ともに4年連続6度目。4年連続の関東高校大会出場は県内初となった。浦和学院は関東高校大会出場、決勝進出とも3年ぶり11度目、両校が決勝で対戦するのは、3年ぶり4度目。

 花咲徳栄は一回に5本の長短打を集めて4点を先制。その後も攻撃の手を緩めず、計12安打を放って川越東を圧倒した。浦和学院は1−1で迎えた六回、2死走者なしから中軸の3連打で2点を勝ち越し。先発阿部がリードを守り切り、1失点で完投した。

 最終日は14日、県営大宮球場で正午から決勝が行われる。

◇新たな武器は積極走塁 浦和学院

 坂戸西が本塁へバックホームをするのを見ると、六回に決勝打を放った浦和学院の星は一目散に二塁へ滑り込む。この日の浦和学院が掲げた積極走塁の象徴的な一場面だ。続く原の3点目となる右前適時打で、試合の流れはほぼ決まった。

 この日の浦和学院は果敢に仕掛けた。走者は通常よりも1、2歩多い5、6歩以上リード。いつ盗塁を仕掛けるか分からないような雰囲気をかもし出し、好左腕・長島が打者との1対1の駆け引きに集中させない場面を常につくった。星は「長島が動いた瞬間にゴーだった」と明かす。揺さぶりが長島攻略のキーワードだったのだ。

 強力打線や速球派投手ばかりが目立つ浦和学院。だが、昨夏の甲子園の横浜戦あたりから、機動力をチーム戦術として取り入れ始めた。今春の関東制覇でも、チームの快進撃を支えた要因の一つになったという。

 攻撃のバリエーションが増え、チーム状況は活性化している。森監督も「ようやく走塁が形になってきた」と手応えを感じている。「機動力」という新たな武器を携え、まずは決勝に挑む。

攻撃機能、V3へ前進 花咲徳栄

 これぞ“秋のトクハル”だ。第1シードの花咲徳栄が、川越東を八回コールドで退け、4年連続の関東大会行きを決めた。岩井監督は「単なる積み重ね」と素っ気ないが、「みんないい仕事をした」と快勝にうなずく。

 一回から畳み掛けた。1番佐藤、2番大塚が連打で出塁すると、続く橋本が送りバント。4番戸塚が先制の2点適時二塁打を放った。その後も7番木村の適時打などで一気に4点を先取。2安打3打点の戸塚は、「僕は打点の4番。仕事ができてよかった」と笑顔だ。

 相手の2投手に対しては、どちらが登板してきてもいいように対策を練り、制球が良い先発猪岡には打者ごとに狙い球を絞って攻略した。「長短打が出て、走れたし、攻撃は100点」と指揮官もご満悦だ。

 先発のエース五明が1死も取れず降板したのは誤算だったが、2番手松本の好投は明るい材料。外角低めに直球とスライダーを投げ分け、「あしたも投げたい」と1年生右腕は自信を得た。

 投手陣はいまだ発展途上ながら、打線の破壊力は今大会随一。目指すは秋の3連覇だ。

◇準決勝

【県営大宮】

花咲徳栄
40111001|8
00010000|1
川越東
(8回コールド)

【花】五明、松本−木内
【川】猪岡、高梨−山田

二塁打 戸塚、五明、木村、木内(花)新井、石井(川)

◇戦評
 花咲徳栄が12安打8得点で、川越東にコールド勝ちした。花咲徳栄は一回、1、2番の連打で1死二、三塁とすると、4番戸塚の左中間2点適時二塁打で先制。7番木村の適時打などで4点を挙げ主導権を握った。2番手松本は7安打を打たれながら、八回を1失点に抑えた。川越東は先発猪岡が一回持たず、4安打を浴び3失点と誤算だった。

                                      • -

坂戸西
000010000|1
01000200x|3
浦和学院

【坂】長島−安斎
【浦】阿部−久保

二塁打 久保(浦)

◇戦評
 浦和学院が後半に坂戸西を突き放し、3−1で快勝した。浦和学院は六回2死走者なしから、久保が左中間突破の二塁打で出塁。星の中前適時打で勝ち越すと、なおも2死二塁から、原が右前打を放って3点目を挙げた。坂戸西は六回1死一、三塁の好機を併殺でつぶすなど計4併殺。好機に一本が出ず、好投の長島を援護できなかった。

埼玉新聞