浦学6年ぶり決勝・きょう常総学院と対戦

(19日・上毛敷島)

 第4日は準決勝2試合が行われ、浦和学院は帝京(東京)を3−1で破り、6年ぶりに決勝に進んだ。富士学苑(山梨)を延長10回の末、9−7で下した常総学院(茨城)との対戦が決まった。

 浦和学院は1回2死1、3塁から久保の適時打で先制。6、8回にも敵失から得点を重ねた。中島、羽倉、萩原の3投手の継投で帝京打線を4安打1失点に抑えた。

 決勝は20日、上毛敷島で10時から行われる。

【戦評】

 11残塁と拙攻の印象はぬぐえないものの、浦和学院が帝京に競り勝った。中島−羽倉−萩原の3投手の継投で1失点にとどめた。

 浦和学院は1−0の6回2死1、2塁で、山崎の左への飛球が敵失を誘って決勝点を奪った。7回に1点を許したが、8回に2死2塁から石田の中堅への打球がエラーを誘い、貴重な追加点を奪った。

▼勝利決めた継投策

 イニング途中での継投にチームの勝利への執念を感じた。春で初のパターンに、「いつもと違う、そういうこともあるぞというところを出した」と浦和学院の森監督。試合巧者を見せつけ、関東の頂点に王手を掛けた。

 県での7試合と関東での2試合、いずれも先頭打者からの継投だった。だが、5回2死2塁の場面だった。帝京の3番星を前に、制球に苦しみながらも無失点でしのいでいた先発中島を下げた。そして、エース羽倉をマウンドに送った。

「勝つためにはどうすればいいか。捕手と決めた」と森監督。2度の練習試合と、準々決勝の戦いぶりで星を警戒していた捕手の久保は「怖い存在。抑えた前の2打席で狙い球は知られている。どうしても勝ちたい」と思案した。直球が変化し、より打ちづらい羽倉の投入を決断。羽倉は三振で切り抜け期待に応えた。

 勝ち進むごとに増す勝負へのこだわり。県外の強豪との戦いで培われた自信。それを、決勝ではどんな形で見せてくれるのか。ナイン誰しもが口にする「一戦必勝」。いよいよ、その言葉が大きな意味を持つ時が来た。

▼攻守でチーム後押し

 「捕手は監督の分身」と自負する久保。クレバーさと大胆さでチームを攻守で後押しした。

 まずは1回、「3球三振でもいい」と力強く先制打。守っては相手打線の弱点を見極め、内への配球を心がけた。森監督からの信頼も厚く、5回の継投の際には相談を受けた。

 憧れは楽天の野村監督だ。「著書は全部持っている。何回も読んで気になった部分は書き出している」という入れ込みよう。勉強熱心な扇の要は「夏に勝つため、この大会で課題を出し切りたい」と語った。

埼玉新聞