浦和学院コールド発進、埼玉栄は1点に泣く・春季関東高校野球

(16日・上毛敷島ほか)

 関東1都7県の代表計18校が参加して開幕。第1日は1回戦2試合と2回戦2試合が行われ、埼玉県勢は浦和学院が下妻二(茨城)に11−1で6回コールド勝ちし、8強に名乗りを上げた。埼玉栄東農大二(群馬)に0−1で惜敗した。

 浦和学院は下妻二の3人の投手陣を打ち込み、13安打で11点を奪った。投げては中島、萩原の継投で最少失点に抑えた。埼玉栄は竹内と芹沢が好投しながら、3安打と打線が振るわず惜敗した。

 第2日は17日、2回戦6試合が行われる。浦和学院は18日の準々決勝で千葉明徳−日本航空(山梨)の勝者と対戦する。

【戦評】

 浦和学院が攻守で圧倒。13安打11得点の猛攻で、下妻二にコールド勝ちした。浦和学院は1回1死2塁から萩原の二塁打で先制。続く久保が決勝タイムリーを放った。3−5回も着実に得点を重ねた。6回には打者11人の猛攻で一挙6点を奪い、試合を決めた。先発中島は立ち上がりこそ乱れたが、制球力を取り戻して5回まで被安打2。継投の萩原と1失点にとどめた。

 埼玉栄は攻撃の糸口をつかめず3安打で完封負け。竹内、芹沢の継投も1点に泣いた。埼玉栄は4回、先発竹内の1回に続く2度目のボークで走者を3塁に進めると、代わった芹沢がライト前に決勝の安打を許した。打線は、東農大二の左腕加藤の前に凡打の山。27のアウトのうち飛球が15で、3塁すら踏ませてもらえなかった。

▼13安打11得点 県大会の勢い持続・浦和学院

 ふたを開けたら、うれしい誤算。選抜大会出場の下妻二に、13安打11得点で圧勝した。浦和学院の森監督は「接戦を予想し、守備を固めなきゃいけないと思っていた。勝っちゃいましたねえ」と満足げな表情を浮かべた。

 打って良し、投げて良しだった。5―1の六回、先頭打者の代打森が初球を一振り。中前に打球を運び、継投した2番手小島の出はなをくじいた。四死球、暴投、敵失と乱れたところを山崎の2点適時打などで一挙6得点。貫禄(かんろく)を見せ、「目に見えない重圧があったかも」と下妻二の小菅監督に言わしめた。

 公式戦初先発の左腕中島も快投した。5回を投げて被安打2。13日の練習試合で2イニング10失点した際に下妻二戦の先発を告げたという。通常は試合当日に言い渡すが、「それが野球なんだよ。あきらめちゃいけないよ、とチームに対する気持ちも込めた」と森監督。期待に応えた中島は「毎日必死だった。結果が出て良かった」と笑った。

 昨年の春季関東高校大会は初戦敗退。今年は県大会優勝の勢いそのままに好スタートを切った。だが、主将の島津は「一戦必勝です」。おごることなく前を見据えた。

▼夏の課題は攻撃力向上・埼玉栄

 竹内、芹沢の継投で最少失点に抑え、好機で得点を奪う。県大会でつくり上げた埼玉栄の戦い方が、関東では通用しなかった。「打てなかったのが一番。ふがいない」と細淵監督。セーフティーバントや盗塁を試みるなど工夫も見せたが、東農大二の左腕加藤の前に15個もの凡フライを打たされ、無得点に終わった。

 守りのリズムも悪かった。失点に絡むボークを取られた竹内は「球も来ていたし、周りも見えていたけど、自分が甘い」と反省。交代直後に決勝点を許した2番手の芹沢も「流れを断ち切ろうと思ったけど、ボール一個高かった。一球に悔いが残る」と唇をかむ。

 「打撃力が課題。これからしっかり振り込まないと、夏もこういう結果になる」。主将の林は完封負けに危機感を強めていた。

埼玉新聞